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2023 年度 実施状況報告書

分子時計によるアクアポリン1発現調節機構の解明と腎障害への関与についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K05922
研究機関宮崎大学

研究代表者

園田 紘子  宮崎大学, 農学部, 准教授 (60608272)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードアクアポリン1 / 分子時計
研究実績の概要

本研究は、「腎において分子時計によって水チャネルAQP1は発現調節を受けており、腎障害では分子時計の破綻によりAQP1の発現量減少が引き起こされる」という作業仮説を明らかにすることを目的として行っている。今年度は、薬理学的手法によって時計遺伝子の発現を変化させ、そのことでAQP1発現量が変化するかどうかを検討した。糖質コルチコイドの一種であるデキサメタゾンは時計遺伝子群の発現量を脳松果体だけでなく、肝や腎などの末梢器官においても増加させることが報告されている。そこで、ラットに0.1 mg/kgになるように腹腔内投与し、6時間後に腎摘出を行った。腎からはトータルRNAを抽出しマイクロアレイ解析を行った(溶媒群:n = 3、デキサメタゾン群:n = 3)。デキサメタゾンによって増加することが知られているCyp27a1遺伝子について調べたところ、投与後6時間の腎において増加が確認された。時計遺伝子であるBmal1遺伝子とその下流遺伝子であるPer1、Cry1、およびPPARa遺伝子の増加がそれぞれ認められた。この時、AQP1遺伝子の増加もみられた。申請者がラットAQP1遺伝子の-2kb上流までの配列を調べたところ、Bmal1/Clockの認識配列が3カ所、そしてPPARの認識配列が1カ所存在していた。このことから腎において薬理学的に増加させた時計遺伝子がAQP1遺伝子の転写を促進した可能性が考えられた。次年度は、時計遺伝子タンパク質が直接的にAQP1転写調節をおこなっているかどうかについて、クロマチン免疫沈降PCRによって明らかにしていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は実験施設の改修工事が行われたため、研究設備および実験動物飼育設備を仮移転先の限られたスペースにセッティングしなければならず、十分な実験環境を確保できなかった。そのため、研究の進行がやや遅れている。次年度には改修工事が終了するため研究期間の延長申請を行って研究を進展させる。

今後の研究の推進方策

今年度行う予定であったクロマチン免疫沈降解析と腎虚血再灌流ラットモデルの障害早期における遺伝子網羅解析については、実験施設の改修工事のため十分な実験環境を整えられず実施が困難であった。したがって、今年度は薬理学的手法によって時計遺伝子によるAQP1遺伝子発現調節について検討した。期間延長を申請し、次年度は上記のクロマチン沈降解析および腎障害モデルについて取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は実験施設の改修工事が行われたため、研究設備および実験動物飼育設備を仮移転先の限られたスペースにセッティングしなければならず、十分な実験環境を確保できなかった。研究の進行度が遅くなったため引き続き研究を行えるよう研究期間の延長申請を行った。次年度助成金についてはクロマチン沈降に使用する抗体や腎障害モデル用の実験動物などの物品費に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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