報告者はこれまでに膜型エストロゲン受容体GPERの選択的アゴニストがマウスやイヌの肥満細胞腫細胞に細胞死を誘導することを見出した.さらにナイアシン(ニコチン酸,ニコチンアミド)がGPERを介して細胞内にシグナルを伝えることが報告されたため,ナイアシンによる抗腫瘍効果について検討したところ,ナイアシンが肥満細胞腫細胞の細胞死を誘導することを見出した.さらにマウス肥満細胞腫モデル系においてナイアシンの投与は腫瘍の増大を抑制しリンパ球の浸潤を促進することが示唆された.GPERの選択的アゴニストに比べナイアシンはコストが低く,さらに詳細な解析・検討を行うことであらたな治療法への提案に繋がると期待される
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