研究課題/領域番号 |
21K05931
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
伊藤 めぐみ 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50390852)
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研究分担者 |
山田 一孝 麻布大学, 獣医学部, 教授 (80292093)
豊留 孝仁 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90422245)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ペンギン / アスペルギルス / アンケート / ストレス指標 / 抗体検査 |
研究実績の概要 |
ペンギンのアスペルギルス症の発生状況を明らかにする目的で日本動物園水族館協会に依頼したペンギンを飼育する動物園・水族館へのアンケート調査を解析し、海獣技術者研究会にて発表した。同内容を論文投稿中である。 ペンギンの免疫低下の要因のひとつと考えられるストレス状態を明らかにする目的で、暑熱期、換羽期、繁殖期、疾病発症時のペンギンについて糞中コルチコステロン濃度を測定し、これらのペンギンがストレス状態にあることを示した。本内容を、日本野生動物医学会において発表した。 高精度なスクリーニング指標としてオクタロニー法を用いてペンギンの血中アスペルギル抗体を計測した。これまでヒトの検査センターで実施していたCF法に比較し、ペンギンの状態を正しく反映した結果が得られた。 血液検査でアスペルギルス症を疑う所見が得られたペンギンおよびそれらの経過観察として延べ11羽のCT検査を実施した。気嚢への液体貯留が認められたペンギンでは、穿刺液を採取可能であり、アスペルギルス症の生前診断への利用が期待された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査からアスペルギルス症のリスク要因に関する有益なデータが得られたことに加え、糞中コルチコステロン濃度からペンギンのストレス状態を評価できたこと、オクタロニー法による抗体検査を実施できたことから、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ペンギンの糞中コルチコステロン濃度測定によるストレス状態の評価について論文投稿を行う。CT検査により気嚢に液体の貯留が認められたペンギンについて穿刺液からのアスペルギルス症生前診断の可能性を検討する。 アンケート調査結果をもとにペンギンのアスペルギルス症予防のための冊子を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はアスペルギルスの培養および糞中コルチコステロン測定のための試薬等に関して、過去のストック品を使用したため、購入分が少なく済んでいた。次年度は早々にこれら使用分の補充が必要となる予定である。消耗品費の使用時期が年度をまたいでずれてしまったが、次年度中に使用する。
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