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2021 年度 実施状況報告書

ウシ栄養膜細胞由来の環状RNAの同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K05933
研究機関岩手大学

研究代表者

木崎 景一郎  岩手大学, 農学部, 教授 (40337994)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード環状RNA
研究実績の概要

環状RNA(circRNA)は、ノンコーディングRNA(ncRNA)であり遺伝子発現を制御することから、新たな機能的ncRNAとして注目されている。本研究では、着床や胎盤形成の鍵となる栄養膜細胞が産生する栄養膜細胞特異的遺伝子に着目し、これらに由来するウシのcircRNAの同定及び機能解明に基づき、着床や胎盤形成機構の分子基盤を明らかにする。今年度は、RNAシーケンス(RNA-seq)法によりウシ胎盤が発現するcircRNAの探索を試みた。
妊娠60日齢のウシ胎盤組織から総RNAを抽出し、rRNA及び直鎖状RNA除去後のRNAからRNA-seq用ライブラリを調製した。データ取得には、Illumina NovaSeq 6000 Sequencing systemを使用し、STARによるマッピング及びCIRCexplorer2によるcircRNAの同定を行った。マッピングにはBos taurus ARS-UCD1.2 をリファレンスゲノムとして使用した。約3000万程度の生シーケンスリードを得ることができた。品質の低いリードやアダプター配列、短いリードをトリミングで除去したシーケンスリードの割合は96%程度であった。リファレンスゲノムにマッピングされたクリーンリードは93%と高値を示したことから、本研究で実施したRNA-seq実験は信頼性が高い結果であることが考えられた。RNAタイプとしては、タンパク質をコードするRNAが62%、その他のRNAが31%であった。長鎖ノンコーディングRNAも僅かであるが含まれていた。検出されたcircRNAの鎖長は400 baseが最も頻度が高く、標準化後の発現量から118種類のcircRNAが妊娠日齢60日の胎盤に発現していることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

RNA-seqにより胎盤に発現する118種類のcircRNAを明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

今後、RNA-seqから得られた結果を基に、個別のcircRNAをRT-PCRで同定する。特に栄養膜細胞特異的遺伝子に由来するcircRNAに着目して検討するが、RNA-seq の結果には含まれない栄養膜細胞特異的遺伝子については、in silico解析による推定も試みる。

次年度使用額が生じた理由

今年度はRNA-seqによる網羅的解析を中心に実施し、個別のcircRNAの同定、定量は次年度に持ち越しとなったため、次年度使用が生じた。令和4年度にRNA-seqの結果も含めて実施予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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