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2022 年度 実施状況報告書

ウシ栄養膜細胞由来の環状RNAの同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K05933
研究機関岩手大学

研究代表者

木崎 景一郎  岩手大学, 農学部, 教授 (40337994)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード環状RNA
研究実績の概要

今年度は、昨年度に得られたcircRNAシーケンス(circRNA-seq)の結果から抽出した胎盤に発現するcircRNAの同定を試みた。ウシ胎盤節・絨毛叢に高発現するbta-circ_9746について、circRNA を特異的に検出するdivergent primerを用いてRT-PCRを行った。divergent primerは、host geneの直鎖状mRNA (host gene mRNA)では認められないback splicing junctionを含む領域を増幅するプライマーである。その結果、予想された193 bp付近に増副産物が検出されたが、500 bp付近にも増幅産物が認められた。これら2つの増幅産物について、DNAシークエンスにより塩基配列を調べたところ、193 bp付近の増副産物はback splicing junctionを1つ有するhost gene mRNA由来の配列であることがわかった。一方、500 bp付近の増副産物は2つのback splicing junctionを有していた。環状構造を有するRNAであるか否かを検証するために、RNase R処理、あるいは未処理のRNAを鋳型としてcDNAを調製した。RNase Rは直鎖状mRNAのみを分解し、環状RNAには作用しないRNA分解酵素である。RNase R処理及び未処理cDNAを用いたRT-qPCRによる定量の結果、RNase R処理cDNAではhost gene mRNAは検出されないが、bta_circ_9746は検出された。さらにRNase R処未理cDNAではhost gene mRNA及びbta_circ_9746はともに検出されたことから、bta_circ_9746は環状構造のRNA由来であることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ウシ胎盤に発現するcircRNA として、bta_circ_9746を同定した。

今後の研究の推進方策

今後、bta_circ_9746以外に候補に挙がっているbta-circ_8048、1913及び6638についての同定作業を進めるとともに、胎盤以外の他の組織での発現分布やcircRNA/host gene mRNA比等について検討する。また、各circRNA中のマイクロRNA結合部位についても調べ、その機能の推定も試みる。

次年度使用額が生じた理由

今年度はcircRNA検出のための特異的divergent primerの設計やRNase R処理条件の検討に若干の時間を要し、一部のcircRNAの同定、定量が次年度に持ち越しとなったため、次年度使用が生じた。令和5年度に実施予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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