研究課題/領域番号 |
21K05954
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
関 まどか 岩手大学, 農学部, 准教授 (20700488)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肝蛭 / 遺伝子型解析 / 定量的PCR / 単為生殖型肝蛭 |
研究実績の概要 |
リアルタイムPCR装置の変更に伴い、定量的PCRの条件検討に時間を要したが、今年度までにその問題を解決することに成功した。 具体的には、はじめに、より感度が高い定量的PCRキットに変更した。次に、抽出後のゲノムDNAを2-3倍階段希釈してから定量的PCRを実施し、増幅効率を算出し、適当な増幅効率を満たした結果を採用した。単為生殖型肝蛭はF. hepaticaとF. giganticaの交雑子孫であるが、2倍体の場合、F. hepaticaとF. giganticaのゲノムを等量ずつ有するので、両種に特異的なプライマーセットを用いると、定量的PCRのCt値の差が0になる。一方、3倍体の場合は遺伝子型に応じて、F. hepaticaもしくはF. giganticaのゲノムが1コピーずつ多くなるため、Ct値の差が1になる。適切な増幅効率を満たした反応条件で得られたCt値について、3点もしくは4点の階段希釈倍率で得られた結果を平均することで、遺伝子型の判定を最適化することができた。 この方法を用いれば、死後時間を経過してから固定されたサンプルから抽出したDNAサンプルでも判定に用いることができると考えられる。 最終年度にはこの方法をpepckとpoldを対象にしてフィールド株に適用したい。また、昨年度確立した新たな核DNAマーカーFABP typeIについても検討を進め、単為生殖型2倍体と3倍体の分布状況と遺伝子型を明らかにし、3倍体の出現様式の結論を出したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機材変更に伴う昨年度までの問題点を解決できたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに改善したプロトコルを用いて、遺伝子型が既知の実験室株と未知のフィールド株の両方に定量的PCRを適用し、単為生殖型肝蛭2倍体と3倍体の識別を可能にすると同時に、3倍体の出現様式を明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
リアルタイムPCR装置の変更により条件検討に想定以上に時間を要したため。また、R3年12月から3月にかけて研究代表者が産前産後休暇を取得したため。
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