本研究では、①わが国の野生鹿、猪におけるCampylobacter保菌状況を検討し、鹿(5.5%)に比べ、猪は高率(39.5%)にC. hyointestinalis(Ch)を保菌していることを明らかにした。②野生鹿、猪由来Campylobacter分離株のWGSデータに基づくcgMLST法の開発と周辺家畜、環境由来株との系統解析法確立のためのデータベースを構築した。③野生鹿、猪由来Campylobacter分離株のWGS解析による病原関連候補遺伝子の網羅的解析、および④同株を用いたヒト腸管上皮細胞株への接着、侵入試験について検討し、同株は人に病原性を示す可能性があることを明らかにした。
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