研究課題/領域番号 |
21K05967
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
山田 壮一 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (10514119)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Bウイルス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、BSL4のウイルスであるBウイルスの遺伝子を、HSV-1またはHSV-2に組換えることにより、BSL2での解析を可能にすることである。この組換え体 を用いて、Bウイルス病の治療(薬剤開発)及び予防(ワクチン開発)に関わる薬剤感受性試験やチャレンジ試験の系の確立を図る。また、これまでほとんど明らか にされてこなかったBウイルスのヒトにおける神経病原性の機序を明らかにするものである。 本研究により、Bウイルスに対する薬剤やワクチンの開発に関する 研究や遺伝子の機能解析を、BSL2レベルで、in vitro及びin vivoで解析することが可能となる。 令和4年度は、前年度構築した、BウイルスのTK遺伝子を搭載した組換えHSV-1/BVTKの性状解析、また薬剤存在下(ACV及びGCV)で継代を繰り返すことにより、薬剤耐性変異体を作出し、その変異体のBVTKにおける変異部位の同定を試みた。組換えHSV-1/BVTKは、野生株と同等の増殖能を示し、また搭載されたBVTKの発現が確認された。薬剤感受性試験では、HSV-1よりもACV及びGCVへの感受性が低かった。薬剤存在下(ACV及びGCV)での継代により、元株(HSV-1/BVTK)と比較して薬剤に対する感受性が低下した(耐性を示した)数十のクローンを獲得した。今後、それぞれのクローンのゲノム上における薬剤耐性に関わる遺伝子変異部位を同定していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BV遺伝子を組み込んだ組換えHSV-1を構築し、そのうちのBVTKを組み込んだHSV-1/BVTKの性状及び薬剤感受性を解析した。また、薬剤耐性クローンを作出した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、BVの膜糖タンパク質を保持した、組換えHSV-1/BVを用いて、その性状解析及びワクチン評価系の構築を行う。また、iPS由来感覚神経細胞における感染性を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末納品等にかかる支払いが、令和5年4月1日以降となったため。 当該支出分については次年度の実支出額に計上予定であるが、令和4年度分についてはほぼ使用済みである。
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