研究課題/領域番号 |
21K05987
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 紗恵子 東京大学, 医科学研究所, 助教 (50777927)
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研究分担者 |
佐久間 哲史 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (90711143)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | てんかん |
研究実績の概要 |
GATOR1複合体を構成するDEPDC5、NPRL2、NPRL3遺伝子の異常は、様々な焦点性てんかんに最も共通する遺伝的病因である。我々は、これまでにこれら3遺伝子をてんかん好発部位である前脳でのみKOしたconditional KO(cKO)マウスをそれぞれ作製し、自発性てんかん発作の発症を確認した。また、てんかん発作発症前に、各cKOマウスに共通して発現が変化している遺伝子群をRNAseq解析により同定した。 GATOR1複合体はmTORC1複合体を抑制するため、現在、mTORC1に抑制作用を示すラパマイシンが新たな抗てんかん薬として注目されている。各cKOマウスのてんかんがラパマイシンで抑制されるかを本年度、新たに検討した。その結果、各cKOに対して顕著な抗てんかん効果が認められた。その一方で、投薬中止後の効果はDepdc5 cKOマウスでは持続したものの、Nprl2 cKO及び、Nprl3 cKOマウスでは持続せず、てんかんが再発した。我々は本成果を原著論文として発表した(Ishida et al., Hum Mol Genet. 2021 Nov 20:ddab337. Online ahead of print. )。 本研究課題では、当初、各cKOマウスに共通して発現が変動する遺伝子のみに注目し、エピゲノム編集技術によって操作する計画であったが、今回新たに得られた結果から、研究計画を変更し、Depdc5 cKOマウスと、Nprl2/Nprl3 cKOマウス間で発現の異なる遺伝子にも着目して研究を進めるべきであるとの考えに至った。現在、新たな標的遺伝子の選抜を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
てんかんマウスモデルの更なる解析を行った結果、当初の計画を変更して研究を行うべきであるとの考えに至ったため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、新たに標的とすべき遺伝子の探索、選抜を行っている。引き続いて、計画通り、エピゲノム編集のin vitroでの評価系の構築を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
てんかんマウスモデルの更なる解析を行った結果、当初の計画を変更して研究を行うべきであるとの考えに至ったため、使用額に変更が生じた。現在取り組んでいる検討ののちに、計画に沿って、in vitroのエピゲノム編集評価系を立ち上げる予定である。
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