研究課題/領域番号 |
21K06003
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
片山 健太郎 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (50508869)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 尿細管障害 / Sglt2阻害剤 |
研究実績の概要 |
1:糖尿病発症初期のDEKにSglt2阻害剤を投与して血糖値を低下させた個体、および無処置の糖尿病発症個体から腎臓組織、膀胱尿、血清などの採材を行った。腎臓組織からはRNAの抽出と精製して網羅的遺伝子発現解析(RNA-Seq)を行い、Sglt2阻害剤投与によっても緩和されない尿細管障害を生じさせる分子機構を明らかにするために現在データの解析を行っている。また、今年度採材した膀胱尿および血清はSglt2阻害剤投与によっても緩和されない尿細管障害を非侵襲的かつ早期に診断するためのバイオマーカーの探索に用いる予定である。 2:DEKの始祖系統であるPET系統およびWistarに由来するUUAにストレプトゾトシン(STZ)を投与して糖尿病を誘発し、腎重量の測定および組織学的解析を行った。その結果、どちらの系統においてもDEKで認められる尿細管の顕著な拡大を伴う腎重量の増加は認められなかったことから、DEKが呈する糖尿病に伴う腎の増大や尿細管の拡大は系統特異的なものであることが明確になった。また、尿細管上皮に空胞変性が認められたが、同様の変性はSTZ投与-糖尿病非発症個体の尿細管においても認められたことから、STZの腎毒性によって生じた変化であると考えられ、糖尿病による尿細管障害を解析する上でのSTZ誘導モデルでの使用に関しては、十分に注意する必要があると考えられた。 3:DEKが呈する尿細管障害の遺伝的素因を明らかにするために、各染色体上の複数のマイクロサテライトマーカーの多型を調査し、多型が確認できた複数のマーカーを用いてマッピングを進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Sglt2阻害剤投与によっても抑制されない腎障害が生じる分子機構を明らかにするためのRNA-Seq解析を実施でき、また、バイオマーカーの探索に用いる膀胱尿および血液サンプルの採材を完了できたことなど、計画を着実に進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
・解析するマイクロサテライトマーカーを増やし、染色体全域を網羅したマッピングとなるよう遺伝学的解析を進めるとともに、QTL解析に尿細管障害の。 ・RNA-Seqのデータの解析を進め、遺伝子発現の変化とその影響に関して免疫染色およびウェスタンブロットにより精査する。また、今年度採材した膀胱尿および血液サンプルを用いてバイオマーカーの探索を行う。 ・DEK特異的な分子病理学的異常に関しては明らかになっていないため、ミトコンドリアの機能異常や低酸素など複数の事象についての変化を免疫染色およびウェスタンブロットにより調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究に必要な試薬類を購入し、研究をさらに進める上で必要な試薬類を購入するには残額が不足したため次年度の使用となりました。 次年度の予算と合わせて研究に必要な試薬の購入に用いる計画です。
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