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2023 年度 実績報告書

細胞老化とSASP遺伝子発現制御におけるクロマチン制御因子TAF-Iの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K06010
研究機関筑波大学

研究代表者

加藤 広介  筑波大学, 医学医療系, 助教 (90466673)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード細胞老化 / SASP / クロマチン / ヒストンシャペロン / エピジェネティクス
研究実績の概要

本研究では、クロマチン制御因子TAF-Iによる細胞老化の制御機構の解明と成体マウスの加齢に伴う表現型におけるTAF-Iの役割の解明を目的とする。令和5年度は、TAF-Iによる細胞老化の制御機構について培養細胞系を用いた解析をさらに進めた。
ヒトの正常繊維芽細胞にHras変異体の発現と同時にTAF-I遺伝子特異的なshRNAを導入してTAF-Iの発現を抑制し、細胞表現型の経時的な変化を検証したところ、誘導7~10日でTAF-Iの発現抑制により、ヒストンH3やLamin B1の発現量低下が顕著に抑制された。また、細胞老化の誘導において重要なヒストンH3のN末端領域の切断によるH3cs1への変化も、TAF-Iの発現抑制により顕著に抑制されていた。以上の結果より、細胞老化の進行過程でTAF-Iの発現量が一過的に増加し、それがヒストンH3cs1の形成を介した遺伝子発現調節を促すことで、Lamin B1の分解などの老化細胞の表現型を促進する可能性が示唆された。そこで、Lamin B1やヒストンH3cs1の形成に関わるプロテアーゼの中で、TAF-Iにより発現調節を受ける遺伝子を探索した。その結果、リソソームと核に局在して機能するプロテアーゼであるカテプシンL遺伝子の発現が、TAF-Iの発現抑制により顕著に低下する様子が観察された。また、TAF-Iの発現抑制により、SASP遺伝子の発現制御に重要な老化付随ヘテロクロマチン (SAHF)の形成が抑制されるが、その過程はSAHF形成に重要なヒストンmacroH2Aの集積の前に、ヘテロクロマチン領域の集合が阻害されることに因ることを明らかにした。

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公開日: 2024-12-25  

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