今後の研究の推進方策 |
熱ストレス応答性の選択的スプライシングを可視化する実験系について、検出感度を向上させたGFPレポーター遺伝子について、Tol2トランスポゾンを用いて、ゼブラフィッシュのトランスジェニック系統を作製し、個体レベルでの解析を行う。また、ユタ大学グループとの共同研究により、変異体系統の作製を進める。一方、線虫C. elegansについても熱ストレス応答性の選択的スプライシングが見られるか検討を行う。 熱ストレス応答性の選択的スプライシングの各制御タンパク質(SRSF2, SRSF10, SFPQ, hnRNPK)について、引き続き、リン酸化状態による活性調節の分子基盤解明を進める。1年目に各種の変異導入を行ったSRSF10を含め、リン酸化修飾部位や脱リン酸化酵素結合候補部位に変異導入した各制御タンパク質について、hsp105遺伝子(制御タンパク質SFPQ, hnRNPK)やtnrc6a遺伝子(制御タ ンパク質SRSF2, SRSF10)を指標とした選択的スプライシング制御活性や、細胞内動態、相互作用タンパク質の変化を解析し、制御タンパク質のリン酸化状態の変化がどのように熱ストレス応答性の選択的スプライシング制御に結びついているのか詳しく明らかにする。今年度に明らかにしたtnrc6c遺伝子やSRSF2遺伝子における熱ストレス応答性選択的スプライシング制御機構についても検討に加える。
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