クーロンレプリカ置換法を用いてAβ40とAβ42の二量体形成過程を調べた。この結果、Aβ42はβ-ヘアピンを形成しやすく、これが二量体形成を促進していることが分かった。また、Aβ凝集の鍵となるアミノ酸残基を特定した。 脂質膜上でのAβの立体構造を明らかにするために、NMR実験及び分子動力学シミュレーションを行った。この結果、Aβは脂質膜上で2つの反平行分子間βシート構造を持つオリゴマーを形成していることが分かった。 ミリセチンおよびロスマリン酸がAβの凝集を阻害する機構の解明にも取り組んだ。この結果、ミリセチンはAβの疎水性残基に、ロスマリン酸はAβの荷電性残基に結合し、凝集を抑制していた。
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