研究課題/領域番号 |
21K06056
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
川崎 政人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (00342600)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | クライオ電子顕微鏡 / タンパク質 / 単粒子解析 / グリッド / 両親媒性ペプチド |
研究実績の概要 |
近年急速な発展を遂げたクライオ電子顕微鏡単粒子解析において、グリッド作製が現在の最も主要なボトルネックと言える。本研究では両親媒性ペプチドを利用することにより、クライオ電子顕微鏡単粒子解析における(1)粒子のカーボン支持膜への吸着、(2)粒子の選択配向(preferred orientation)、(3)粒子の気液界面(air-water interface)への衝突、という3つの根本的な問題を解決する新規グリッド作製技術の開発を行う。 本年度はグリッド内での目的蛋白質の挙動を制御するのに効果的な両親媒性ヘリックスの配列と長さを検討し、その最適化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
効果的な両親媒性ペプチドを得ることに成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
目的蛋白質への効果的なペプチド付加方法を検討する。両親媒性ペプチドを目的蛋白質に付加する手段には主に2つ考えられる。1つは蛋白質のN末端かC末端、もしくは立体構造に影響を与えないループ部分に遺伝子レベルでペプチドを挿入する方法である。この方法は100%の効率で両親媒性ペプチドを導入することが可能であるが、組み換え発現系が必要である。もう1つは両親媒性ペプチドを目的蛋白質と架橋する方法である。この方法は汎用性が高いが架橋条件の検討が必要である。架橋剤の種類と濃度、目的蛋白質に対するペプチドの量比などについて詳細に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度購入しなかった物品があるため繰越金が生じたが、翌年度は必要になるため翌年度分として請求した助成金と合わせて購入する。
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