ストレスにより細胞周期が不可逆的に停止することを細胞老化という。もともと、培養細胞において発見された現象であるが、最近では、個体老化との関連が注目されている。細胞老化において中心的な役割を担うのが、サイクリン依存性キナーゼ (CDK) 阻害因子p16INK4aである。応募者は、DNA損傷によるp16INK4aの発現誘導に関わる遺伝子を、網羅的に同定するために、ゲノムワイドsiRNAスクリーニングを行った。本研究では、このスクリーニングで同定されたBNIP3というタンパク質が、ミトコンドリアにおける脂肪酸酸化を促進することで、細胞老化を誘導することを見出した。
|