これまでの研究から、ペプチドホルモン前駆体が活性化されるためには活性化酵素群が集積する顆粒膜のドメインと出会うことが必須であり、グラニンはこの両者の近接に重要な役割を果たすことが示唆されたが、その分子機構に不明な点が多い。さらに申請者のSg3-KOマウスの解析から、単独のグラニン欠損では致命的なホルモン分泌不全が生じないことが明らかになったが、このホルモン分泌の代償機構についても解明されていない。本研究を通じて、ペプチドホルモン活性化過程におけるグラニンの役割を解明し、活性型ホルモンの不充足に起因する生活習慣病の病因解明や新規治療・予防法の提案に向けて、新しい観点からのアプローチを確立したい。
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