光受容蛋白質の一種であるCRY4は、鳥類における磁気感覚を担う物質の一つと考えられている。本研究では、X線小角散乱法を駆使し、代表的磁覚保有種であるヨーロッパコマドリ由来erCRY4の三次構造や自己会合性が光応答的に変化することを幅広い空間分解能スケールで明らかにした。また、電位依存性カリウムチャンネルサブファミリーVの細胞内ドメインの一部(erKCNV2-2)がerCRY4と相互作用することを明らかにし、その相互作用によってerCRY4が空間秩序的に配列した会合体を形成しうることを発見した。得られた知見は、erCRY4を起点とした磁場情報知覚化の機構解明に資する。
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