研究成果の概要 |
タンパク質の機能を解明するうえで, 長時間スケールの構造変化を抽出することは重要である. 本研究では, 通常の分子動力学計算(MD)の到達時間スケールを超えて観測されるタンパク質の長時間ダイナミクスを抽出可能な計算手法を開発した. 具体的には, 研究代表者が独自に開発した長時間ダイナミクス抽出法であるPaCS-MD(Paralllel Cascade Selection Molecular Dynamics)と機械学習(異常検知)を融合させることで, 通常のMDでは抽出できないタンパク質複合体の形成と解離プロセスの抽出に成功し, 遷移プロセス途中に存在する中間体構造を特定した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子動力学計算と機械学習を融合させることにより生体機能に重要なタンパク質の構造変化を効率的に抽出する計算手法を確立させた. 本手法に関してはプログラムとして研究者へ公開することを通して研究成果の社会還元を果たす. また, 本手法を適用することにより, タンパク質や核酸をはじめとする複合体の形成や解離についてそのプロセスを詳細に調べることができるという学術的意義がある. さらに, 複合体の形成及び解離プロセス途中の分子間相互作用を解析することで, 生体機能を維持するために必須となる重要な相互作用の特定が実現するため, 疾患原因の特定にも貢献できる可能性を有する.
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