『外環境情報を感知・処理し応答する』ことは最も重要な生命現象の一つである.従来は,生物種を問わず情報処理を担う生体分子の機能やそれらの相関図の解明に焦点が当てられてきた一方で,生きた細胞内での情報処理を担うタンパク質の動態(活性,相互作用,数など)を細胞の応答に直接的に結びつけて理解するには至っていない.本研究は,シンプルな情報伝達系である大腸菌の走化性システムを対象に,独自の1細胞計測技術により『シグナル入力,細胞内タンパク質の動態,細胞応答』を同時に計測し,それら計測パラメーターの関連付けによって情報伝達の定量的な理解に繋げた.本研究の成果は生物に共通の情報伝達系の定量的理解に貢献する.
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