Na+ポンプ(Na+,K+-ATPase)はATP 1分子当たり3個のNa+を細胞外へ、2個のK+を細胞内へ濃度勾配に逆らって輸送するイオンポンプである。本研究はそのK+輸送機構、すなわちNa+ポンプは2個のK+をどのように選択的に結合するとともに脱燐酸化を引き起こし、細胞外ゲートを閉じるのか、また細胞内ゲートを開き、細胞内へ排出するのか、を原子レベルで解明することを目的としている。そこで、その過程における中間状態の結晶構造解析およびクライオ電顕解析を行ったところ、ほぼ全ての中間状態の立体構造を決定することができた。その結果、K+輸送の仕組みを詳細に理解することができた。
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