多くの再生可能動物において、器官が傷害されると創傷部位でROS産生が高まり、WntシグナルやJNK, ERKなどを介して器官再生を促進することが知られている。コオロギの脚再生では、Duox(RNAi)によりROSを低下させると、再生脚の肥大や幼虫期致死の表現型が示され、血球遊走の増加と細胞増殖の低下が起こっていた。ROSの低下によりToll受容体のリガンドの発現が変化したことから、ROSはTollシグナルの活性化を介して再生を制御すると考えられる。本研究成果より、器官再生におけるTollシグナルの重要性が深まり、免疫と再生の関連を明らかにできた。
|