昨年度までの研究で、スーパーセンチナリアン(110歳以上)10名を含む合計28名の末梢血T細胞についてシングルセルトランスクリプトーム解析を行い、CD4キラーT細胞がスーパーセンチナリアンだけでなく、センチナリアン(100歳以上)やそれ以下の年齢層でもクローナルに増殖していることを明らかにした。 本年度は、16種類の細胞表面タンパク質についてシングルセルデータの解析を行い、CD4ヘルパーT細胞とCD4キラーT細胞の中間的な特徴を持つT細胞を探索した。その結果、T細胞の活性化に重要な共刺激因子であるCD27とCD28に興味深いパターンが見つかった。すなわち、ほとんどのCD4ヘルパーT細胞はCD27+CD28+であり、CD4キラーT細胞はCD27-CD28-であった。しかし、一部のCD4ヘルパーT細胞はCD27を消失しており、CD27-CD28+の特徴を示した。CD27の消失は分化が進行していることを示唆しており、これらのCD4ヘルパーT細胞は、キラーT細胞への分化の第一段階と考えられる。
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