本研究では、VCIP135がp97ATPaseのN末端とC末端の両方にATP依存性に結合することを見いだしたが、このようなp97結合蛋白質は今まで知られていない。このことから我々はVCIP135がp97複合体の解離因子として働くという仮説を提唱した。特に新規係留装置であるFTCD-p97/p47-FTCD複合体においてp97はN末端とC末端でそれぞれFTCDとp47とに結合するが、VCIP135はその両方の結合を同時に解離し得る。またp97-p47間の結合が解離すると、p47-FTCD間の結合も弱くなり解離に至る。即ち、VCIP135が膜係留装置のリサイクル因子である可能性がある。
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