研究課題/領域番号 |
21K06157
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
長野 真 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 特別講師 (50572715)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エンドソーム / トランスゴルジネットワーク / 出芽酵母 / メンブレントラフィック / Rab5 |
研究実績の概要 |
本年度は、出芽酵母を用いた先行研究で申請者らが見出した、トランスゴルジネットワーク上で制御されるエンドソームの形成・成熟機構の全容解明を目的として、エンドソーム形成・成熟の鍵因子Rab5ホモログの活性化機構を研究した。 先行研究において既に、Rab5の活性化因子Vps9pがトランスゴルジネットワークにリクルートされた後、Vps9p局在小胞がトランスゴルジネットワークから出芽し、この小胞上で活性化されたRab5が小胞間融合を促進することでエンドソームが形成・成熟するモデルを示した。本研究では、このVps9p小胞の形成を制御する分子機構の解明に取り組んだ。 この結果、AP-1複合体、Ent3pおよびEnt5pというクラスリンアダプターがそれぞれ制御する複数の輸送小胞が、並行してRab5活性化を制御していることを見出した。従ってRab5活性化は、単一経路上で制御されるのではなく、トランスゴルジネットワークを起点としたAP-1複合体/Ent5pが制御する経路とEnt3pが制御する経路という複数の小胞輸送経路上で制御されている可能性が示された。 更に今年度は、上記のクラスリンアダプターを制御する上流因子も解析した。この結果、Gag1p/2pがEnt3p、PI4キナーゼホモログPik1pがAP-1/Ent5p、Rab11ホモログYpt31p/32pがEnt3p/5pをそれぞれ制御することも明らかにした。従ってトランスゴルジネットワークでは、これらの分子が強調して3種類のクラスリンアダプターを制御することで、Rab5の活性化因子を積んだ小胞形成が制御されており、これがエンドソーム形成・成熟の鍵となることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究計画を概ね完遂できており、現在これらの研究結果を学術論文として投稿準備中であるため、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に沿って、トランスゴルジネットワークが制御するRab5活性化機構の全容解明に取り組む。
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