Pitx2の極性をもった発現が中隔形成や心臓機能に与える影響を明らかにするために、Pitx2を心臓全体に発現するマウス(Pitx2異所性発現マウス)を作出し、解析を行った。Pitx2異所性発現マウスは胎生12.5日目頃に致死となり、房室管の形成に顕著な異常が認められた。また、心房中隔の形成不全や右心房の個性が阻害される表現型が認められた。シングルセルRNA-seqを行い、細胞種ごとにPitx2異所性発現心臓において発現が変化している遺伝子の探索を行った結果、心筋で洞房結節マーカー遺伝子の発現が減少していること、さらには細胞外基質の分解や合成に関わる因子の発現が大きく変化していることを見出した。
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