研究課題/領域番号 |
21K06205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
河田 純一 福岡大学, 医学部, 助教 (00312207)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 神経極性 / 軸索 / モデルマウス / ダイナクチン / ダイニン / TDP-43 / Perry病 / タンパク凝集体 |
研究成果の概要 |
Perry病は、TDP-43病理、パーキンソニズム、抑うつ等を示す希少性神経難病である。原因遺伝子産物DCTN1は、ダイニンモータを制御するダイナクチン複合体の最大サブユニットである。Perry病モデルとして変異型Dctn1ノックインマウスを作成したが、初代培養神経細胞が、軸索を複数持つことを発見した。TDP-43病理が変異型DCTN1により惹起される機構を調べると共に、軸索を1本に限局する仕組みの解明を目指している。Perryマウスで、パーキンソニズムと衝動制御障害を再現し、神経細胞形態・回路に顕著な異常を見出した。軸索維持の要となるTDP-43の局在・凝集制御機構を明らかにしつつある。
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自由記述の分野 |
神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軸索と樹状突起からなる神経極性は、神経機能に必要である。個々の神経細胞で、複数の樹状突起で受容・統合された情報を軸索1本へ伝達し、シナプス後細胞に出力するという、一方向性の情報伝達は、神経科学の基本原理である。何故、そしていかにして神経細胞は軸索を1本だけ持つのか、という問題は、基本的ながら手つかずのままである。今回、Perryマウスと患者脳内で、神経細胞が軸索を複数持つ可能性が浮上した。神経細胞が軸索を複数持つ場合、Perry病患者の知性は低いのでは、と予想されるが、実際は逆であり、発症までは、高い知性を保っている。認知症等への新規治療戦略として、軸索機能の制御技術を将来提供したいと考える。
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