研究課題
基盤研究(C)
様々な種類の上皮立体構造は外環境由来の物理的因子によって自然に形作られる共通性を持つと考えられる。一般的な組織において足場となる間質組織の環境は、基底膜を除いて、間葉系細胞が調節していると考えられている。一方で、上皮細胞と足場の力学的特性は、細胞の牽引力や足場の網目構造変化などを介して、互いにフィードバックして制御されていると考えた。本研究では、in vitro系を用いて各種上皮細胞と足場の力学的特性をデザインし、細胞と足場の力学的特性のリアルタイムモニタリング手法を樹立した。
発生学
上皮細胞と足場の力学的特性のリアルタイムモニタリング手法は、今回主に用いたミュラー管上皮のみならず、三胚様性の全ての上皮と足場の相互作用に応用可能であり、特に上皮構造が複雑な組織に適応することで、in vitroで上皮の形を再現することが可能になると考えられる。上皮が適切な形を取ることは、上皮の機能にも密接に関わっているため、平面での細胞培養系や、オルガノイドなどの単純な三次元培養系に比べて、より生体に近い評価系を提供できる可能性がある。