中心子は9本の微小管からなる普遍的な構造のオルガネラで、新しい中心子(娘)は既存中心子(母)から「複製」される。この形成様式は真核生物に共通するが、その意義は不明である。本研究は、中心子の微小管数がバラつくクラミドモナス突然変異株で母と娘中心子の微小管数の相関を調べ、複製が微小管の数を規定する可能性を探った。中心子微小管の数を多数計測する方法を探索した結果、単離した中心子の微小管数を膨脹顕微鏡法によって計測することが可能になった。この技術を使って、母・娘中心子ペアの微小管数を計測すれば、近い将来に中心子複製の意義の端緒をつかむことができると期待される。
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