研究課題/領域番号 |
21K06303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古屋 秀隆 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (20314354)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ニハイチュウ / 寄生虫 / 頭足類 / 共進化 / ホストスイッチ / プロジェネシス / ヘテロクロニー / 生活史 |
研究成果の概要 |
ニハイチュウ類の種分化過程を明らかにするために、ミトコンドリア遺伝子 (COI)の塩基配列を用いて種間の分子系統解析を行った。形態形質による分類は系統を反映しないことが明らかになった。また、頭足類とニハイチュウ類は厳密には共進化しておらず、一部の種は他の宿主にホストスイッチしていることが判明した。 ニハイチュウ類では、ふつう幼生は一定のサイズに成長した成体で生じるが、形態的に未分化な個体においても生殖腺が成熟し幼生を生じる個体を発見した。このプロジェネシス型個体は寿命の短いホストに寄生する種に多くみられることから、これは生殖腺の成熟を早め、早い時期での幼生の形成を優先する適応と考えられる。
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自由記述の分野 |
動物形態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
寄生生物は、ホストに適応するために複雑な生活史戦略を発展させる傾向があり、これはホストに依存する段階や特定の環境条件に適応するための戦略とみなされる。この複雑さは、寄生生物の生物学的進化や生態学的相互作用に関する理解を深める上で重要である。また、寄生生物は、ホストに適応するために特殊な形態を進化させるため、特殊な器官や構造の発達がみられる。これらの特殊化は、寄生生物がホストに対してどのように相互作用し、依存するかを理解する上で重要である。寄生生物をもたない動物はないと言われるほど、生態系の重要な一部であり、ホストに対する影響や寄生生活の進化メカニズムを理解することは、生態系の理解に必須である。
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