標高傾度にそった亜高山帯林の生産量と土壌呼吸速度を調べた.その結果,(1)どの標高でも個体間競争によって成長が減少し,また成長率は成長期間の気温と正の相関,降水量とは負の相関がみられた.さらに,成長率の減少は死亡率を高めていた.(2)各標高での土壌呼吸速度は地温と含水率,森林のバイオマスから推定できた.(3)どの標高でも根の呼吸速度と微生物の呼吸速度は地温と正の相関があった.細根量は高い標高ほど減少したが,細根量あたりの根の呼吸速度は高い標高ほど高かった.(4)土壌呼吸速度の日変化と季節変化は地温と含水率から再現できた.
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