研究課題/領域番号 |
21K06332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤田 晶子 京都大学, 野生動物研究センター, 特任研究員 (10646665)
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研究分担者 |
都野 展子 金沢大学, 生命理工学系, 准教授 (60295102)
宮部 貴子 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 助教 (10437288)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ニホンザル / 菌食 / 忌避行動 / キノコ / 採食生態学 |
研究成果の概要 |
先行研究では、極めて多様なキノコを食べる屋久島のサルが毒キノコを忌避しており、その背景には嗅覚情報が関与している可能性が示された。本研究では、サルが忌避するキノコにおい成分の特定ならびに毒キノコのにおい成分を用いた給餌実験により、嗅覚に基づく毒キノコ忌避行動を検証した。野生のサルは、有毒種を多く含むテングタケ類のキノコに対してにおい確認する、かじって吐き出すなど検査行動を示す傾向が強い。飼育ニホンザルを対象とした給餌実験の結果も、テングタケ類に含まれる揮発性物質が警告臭として機能し得る可能性を強く示唆するものであり、哺乳類と毒キノコのにおいの進化生態学的意義の解明につながる成果が得られた。
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自由記述の分野 |
採食生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物と菌類の相互作用は森林生態系における重要なメカニズムのひとつであるが、動物側の視点に立った研究は未だに少なく、キノコ食性哺乳類の実態についてはさらに限られた知見しかない。毒キノコのにおいが哺乳類に対する警告臭として進化した可能性を支持する結果が得られたことは本研究の大きな成果であり、キノコのにおいの進化生態学的意義を探るうえで重要な知見となる。
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