研究課題/領域番号 |
21K06364
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
大下 和茂 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (10615826)
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研究分担者 |
山口 恭平 九州共立大学, スポーツ学部, 講師 (10638349)
疋田 晃久 九州共立大学, スポーツ学部, 准教授 (70780104)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 衣類 / ライトタッチ効果 / 筋活動 / 運動指導 / 動作認識 |
研究実績の概要 |
本研究は,触覚刺激を利用して身体部位の認識を向上させることで,日常生活の動作改善,それを通した身体負担軽減に繋がる方策を検討している.特に,適切な動作が理解し難く,それが身体負担となる生活動作を抽出し,それらの動作で,触覚を活かした動作改善や障害予防へと繋げる. 本年度は各種動作の理解について検討した.基本的な生活動作である歩行について,歩行速度の向上を図る際に,動作の指示方法の違いで歩行速度が異なることを示した.また腰部への負担が大きいとされる持ち上げ動作について,膝関節と股関節を同時に屈曲させてしゃがみ物を掴み,膝関節と股関節を同時に伸展させるような動作を意図した指示であっても,指示方法の違いにより,実際に遂行される持ち上げ動作が異なることを示した.さらに,運動指導の専門家が,股関節だけでなく膝関節の屈曲・伸展も伴うような持ち上げ動作を,どのように表現するかについて調べた結果,「腰の位置」や「しゃがむ」,「体幹の姿勢」に関する表現が多かったが,最も多く回答された表現でも,回答割合は55%と対象者の約半数であり,ほとんどの対象者が回答した共通の表現はなかった.これは,同じ動作や姿勢であっても,それ表現する言葉は多様であり,運動指導の専門家であっても,専門家毎で表現方法が異なることを示している.そのため,動作表現だけではなく,対象者の身体部位の認識を向上させ,具体的な動作が理解できるような方法が必要となる可能性を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動作の認識・遂行に関する検討は,現在までの進捗状況で示した通り,歩行や持ち上げで,実施される動作の特徴に関する一定の結果を得ている.一方,動作に好影響を与えうる触刺激の検討については,まん延防止等重点措置および緊急事態宣言の影響により,大学への入構禁止期間が設けられたことなどにより,実験開始がやや遅れ,現在,実験中である.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は動作の認識・遂行に関して,より多くの動作を対象に検討を進める予定で,すでに調査に着手済みである.その後,実際に動作を遂行し,動作解析を用いて評価する予定である.一方,現在までの進捗状況で述べた通り,動作に好影響を与えうる触刺激の検討については,開始が遅れ現在実験中である.これは令和4年中には終了し,触覚付加が動作改善・身体負担に及ぼす影響について検討の検討を,令和5年初めに開始できる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者所属地域の緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置により出張(実験および研究打ち合わせ)が出来なかった.当該年度の旅費の割当分は本年度使用する予定である.
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