研究課題/領域番号 |
21K06372
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
森本 菜央 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (30762249)
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研究分担者 |
小坂田 文隆 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (60455334)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ショウジョウバエ / リズム / 神経回路 |
研究実績の概要 |
動物には、環境からの情報を統合するため、脳内に情報を一時的に保存する機構が備わっている。情報の一時的な保存は、外的刺激に依存しない神経活動により担われると考えられる。 このような活動をする神経細胞はリズミックな神経活動を行うことが明らかになってきてはいるが、リズム生成の分子機構の詳細は未解明である。本研究は、ショウジョウバエ脳内にて、申請者が神経活動イメージングの際に見出した「求愛刺激により誘導されたリズミックな神経活動が刺激終了後も持続する」活動パターンをとる神経細胞に着目する。この細胞を含む神経回路を単一細胞レベルで特定し、リズミックな神経活動が神経回路や動物の行動に与える摂動を明らかにすることで、リズミックな神経活動を生成する分子機構を解明し、その生理的意義を理解することを目的とする。 当該年度においては、リズム生成に必要な分子を探るため、まず、着目したポタシウムイオンチャネルの阻害剤を用いて、刺激誘導性のリズムがどう変化するかをカルシウムイメージングにて調べた。その結果、阻害剤添加群ではリズムの時間周波数が小さくなった。このことから、このポタシウムイオンチャネルがリズムの時間周波数の決定に重要であることが示唆された。 現在、このチャネル、および時間周波数が行動にどのように影響を与えるかと調べるため、ポタシウムチャネルを詐害したときの、ショウジョウバエの応答行動を行動実験で検証している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所属の移動があり、実験動物飼育装置および実験装置の再セットアップが必要であった。阻害剤を用いた実験において、着目した分子の必要性を示すことができた。したがって、研究は概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まずは分子機構について明らかにする。着目した分子の活性制御がいかなる機構によるものか、リン酸化による制御について調べていく。さらに、行動への影響を調べるため、着目分子のノックダウンを行い、動物の行動を調べる。
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