ヒトを含め動物は、健常であれば、軽度の気分の落胆や高揚は自己回復できるが、ストレス状態では、変化した気分は回復せず、不安障害発症の一因となる。多数の研究は、ストレス誘発性不安機構を解明してきたが、ストレス回復の仕組みについてはほとんど明らかではない。今回、中脳水道灰白質に局在する抑制性ソマトスタチン (Sst) 細胞が、青斑核ノルアドレナリン作動性 (LC-NA) 神経細胞にシナプス結合し、その神経活動を強力に抑制することを発見した。また、LC-NA 細胞特異的に Sst 受容体サブタイプ 2 (Sstr2) を発現抑制したマウスでは、拘束ストレス負荷後の不安行動が増大することを明らかにした。
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