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2021 年度 実施状況報告書

コンドロイチン硫酸による成体脳におけるニューロン移動制御

研究課題

研究課題/領域番号 21K06395
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

澤田 雅人  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20645288)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードニューロン移動 / 脳室下帯 / RMS
研究実績の概要

近年の研究で、成体哺乳類の脳においても、ニューロン移動が観察されることが明らかになった。脳室下帯の神経幹細胞から産生された新生ニューロンは、吻側移動流(RMS)と呼ばれる特殊な移動経路を通って、嗅覚の一次中枢である嗅球へと移動する。RMSでは、 新生ニューロンは鎖状に連なり、アストロサイトが形成するトンネルの中を高速で移動する。 最近では、ヒト新生児脳においても、脳室下帯の新生ニューロンが嗅球や大脳皮質へと移動することが報告され、新生ニューロンの移動は生後脳の機能発達に極めて重要と考えられている。
細胞外マトリックス分子群は、生後の神経回路の維持に必須である。細胞外マトリックス分子群は、発達期には成熟した神経回路の構築に関与するほか、傷害脳では、軸索の再生過程を正または負に制御することが報告されている。しかし、生後脳のニューロン移動における役割は不明である。
2021年度は、マウス脳や霊長類モデルであるコモンマーモセット脳における局在および発現細胞を解析した。また、新生ニューロンの鎖状移動や周囲の細胞群との相互作用について、透過型電子顕微鏡・連続ブロック表面走査型電子顕微鏡を用いた微細形態解析や共焦点顕微鏡を用いた組織学的解析、培養した新生ニューロンのタイムラプスイメージング解析を実施した。さらに、生後脳のRMSを移動する新生ニューロンを採取し、新生ニューロンに発現する移動関連タンパク質を網羅的に同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2021年度に計画した実験は全て完了し、ニューロン移動の制御機構に関するデータを得ることができた。それに加えて、2022年度に計画していた機能阻害実験の一部をすでにスタートさせたほか、移動する新生ニューロンに発現するタンパク質のデータ取得および発現・局在の検証も開始している。したがって、本研究課題の進捗状況は、当初の計画以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

2021年度に引き続き、ニューロン移動における制御機能を明らかにするためのin vivoおよびin vitro実験を遂行する。また、培養した新生ニューロンの鎖形成と移動の効率の関係を評価する。さらに、2021年度に引き続き、新生ニューロンの移動制御に重要なタンパク質の発現や機能を解析する。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画よりも消耗品の購入が少なかった。翌年度の物品費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Univ Med and Pharm at Ho Chi Minh City(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      Univ Med and Pharm at Ho Chi Minh City
  • [国際共同研究] Pham Ngoc Thach Univ Med(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      Pham Ngoc Thach Univ Med
  • [雑誌論文] Synaptic pruning of murine adult-born neurons by microglia depends on phosphatidylserine2022

    • 著者名/発表者名
      Kurematsu C, Sawada M, Ohmuraya M, Tanaka M, Kuboyama K, Ogino T, Matsumoto M, Oishi H, Inada H, Ishido Y, Sakakibara Y, Nguyen H B, Thai T Q, Kohsaka S, Ohno N, Yamada M, Asai M, Sokabe M, Nabekura J, Asano K, Tanaka M, Sawamoto K
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Medicine

      巻: 219 ページ: e20202304

    • DOI

      10.1084/jem.20202304

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 成体脳のニューロン新生における死細胞の貪食過程と意義2021

    • 著者名/発表者名
      澤田雅人、澤本和延
    • 学会等名
      第64回日本神経化学会大会
    • 招待講演
  • [備考] 澤本和延研究室ホームページ

    • URL

      http://k-sawamoto.com/

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公開日: 2022-12-28  

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