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2021 年度 実施状況報告書

がん細胞内銅(I)イオンをマーカーとするsiRNAプロドラッグの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K06449
研究機関東京大学

研究代表者

森廣 邦彦  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70713890)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード銅イオン / siRNA / プロドラッグ / ルシフェラーゼ / 核酸化学
研究実績の概要

本研究では、がん細胞内に高濃度に蓄積した銅イオンに選択的に応答して活性化するsiRNAプロドラッグを開発し、副作用の少ないがん治療薬の開発を目指している。
初年度である2021年度は、まず銅イオン応答型人工核酸の設計と化学合成から取り組んだ。チミジンの4位酸素原子に銅イオンによって除去可能な保護基を搭載した人工ヌクレオチドを化学合成し、DNA合成に適したホスホロアミダイト体へと誘導した。モノマーレベルでの銅イオン応答性を調べたところ、銅イオン源の添加によって効率よくチミジンに変換できることが分かった。また、他の金属イオンとはほとんど反応しないことも確認した。
続いて、合成した人工アミダイト体をルシフェラーゼのmRNAを標的としたsiRNAに導入した。当初はRNA合成中に人工塩基部分が分解してしまうという問題に直面したが、種々の条件検討により収率よく目的物を単離できるようになった。最適化した条件を用いて人工ヌクレオチドの導入位置が異なる複数のsiRNAを合成した。
ルシフェラーゼを安定発現したHeLa細胞に合成した銅イオン応答型siRNAをトランスフェクションし、ルシフェラーゼアッセイによってmRNAのノックダウン効率を評価した。銅イオン源を添加した場合に選択的なルシフェラーゼ発光の減弱が見られたことから、今回合成したsiRNAが設計通り銅イオン応答性を有していることが分かった。また、人工ヌクレオチドの導入位置によって銅イオン応答性が異なっており、配列設計の重要性も明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

初年度は銅イオンに選択的に応答する人工ヌクレオチドを設計・化学合成し、ルシフェラーゼのmRNAを標的としたsiRNAに導入することで銅イオン選択的な遺伝子発現抑制技術を開発した。当初の計画ではsiRNAを用いた培養細胞実験は2年度目に実施する予定であったため、研究は当初の計画以上に進展していると評価できる。

今後の研究の推進方策

得られた配列設計の指針を基に、実際にがん治療の標的mRNAに対するsiRNAの設計および評価を実施する。またマウスモデルを用いた動物実験も可能な限り早期に開始したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] がん細胞内に蓄積した不安定な金属イオンをトリガーとする核酸医薬の活性化2021

    • 著者名/発表者名
      安藤 帆菜美、森廣 邦彦、岡本 晃充
    • 学会等名
      第11回CSJ化学フェスタ2021

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公開日: 2022-12-28  

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