研究課題/領域番号 |
21K06459
|
研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
吉村 祐一 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00230813)
|
研究分担者 |
南川 典昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (40209820)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 4'-チオヌクレオシド / オリゴヌクレオチド / LNA/BNA / ヌクレアーゼ抵抗性 |
研究実績の概要 |
新たな核酸医薬候補としてRNAへの親和性が高いLNA/BNAと核酸分解酵素であるヌクレアーゼに対する抵抗性に優れた4'-チオヌクレオシドのハイブリッドとなる4'-チオLNA/BNAをデザインし、そのヌクレオシドモノマー合成について検討を行った。本合成での中間体となる4'-ヒドロキシメチル-4'-チオヌクレオシドについては、先に当研究室で開発したタンデム型縮環-アルドール反応とPummerer型チオグリコシル化反応を鍵段階とする方法により合成した。得られた同誘導体の糖部ヒドロキシ基の選択的保護を経由した分子内環化反応を検討したが不調であった。次に、糖部保護基を完全に脱保護した4'-ヒドロキシメチル-4'-チオウリジンを炭酸水素ナトリウム存在下、炭酸ジフェニルと処理したところ、1段階で目的とする4’-チオLNA/BNAモノマーが得られることを見出した。今回見出した反応を用い、チミン型4’-チオLNA/BNAモノマーの合成も達成した。得られたモノマーは、5'位をジメトキシトリチル基で保護した後、3'位ヒドロキシ基のアミダイト化を行い、対応するアミダイトユニットに変換した。このアミダイトユニットを用い、核酸自動合成機用により4’-チオLNA/BNAを含むオリゴヌクレオチドの合成を行った。得られた4’-チオLNA/BNAオリゴヌクレオチドは、期待通り高いRNA親和性とヌクレアーゼ抵抗性を有することを見出した。特にヌクレアーゼ抵抗性については、デザインの元となったLNA/BNAや4'-チオヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドよりも優れた結果を示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
目的とする4’-チオLNA/BNAモノマーを得るための簡便な合成法を見出し、これをきっかけに研究の進行が加速したため。
|
今後の研究の推進方策 |
今回見出した方法によりピリミジン型誘導体については合成の目途が立ったが、プリン型誘導体については、今後さらなる検討が必要と考える。また、今回の研究成果を受け、2つめのプロジェクト(4’-ヒドロキシアルキルジデオキシヌクレオシドの合成)の開始を前倒しすることも考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定よりも早く目的とする4'-チオLNA/BNAモノマーの合成を達成することができたことに加え、新型コロナの感染拡大により参加を予定していた学会が全てオンライン開催となり旅費の支出が全くなかったため。
|