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2022 年度 実施状況報告書

抗ウィルス薬と核酸医薬の開発を二元戦略とするヌクレオシド類のデザインと合成

研究課題

研究課題/領域番号 21K06459
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

吉村 祐一  東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00230813)

研究分担者 南川 典昭  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (40209820)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードヌクレオシド / 抗HIV活性 / リパーゼ / 光学分割
研究実績の概要

令和4年度では、抗HIV薬候補と核酸医薬用アミダイト候補を両立できるヌクレオシド誘導体として、4’-置換スタブジン誘導体を標的分子とし、同誘導体の両エナンチオマー獲得を目指し検討を行った。すでに以前の研究で4’-置換スタブジン誘導体については、ラセミ体での合成を達成していたことから、光学活性体の合成は、lipaseを用いた速度論的光学分割を利用することとした。まず始めに出発原料として1,3-ジヒドロキシアセトンダイマーを用い、既知の方法でジヒドロフラン誘導体を合成した。さらに当研究室で開発された酸化的グリコシル化反応によりヌクレオシド誘導体へと導いた。ジシリル体のフェニルセラニル基の脱離と脱保護を経て、lipaseの基質となりうる複数のアルコール誘導体を調整し、速度論的光学分割を検討した。モノTBDPS体を基質とした場合、lipaseによるアセチル化はほとんど進行しなかったが、ジオール体を基質とした際にモノアセチル体が45%, 99%eeで得られ未反応のジオール体を54%, 91%eeで回収した。ここで得られたモノアセチル体を既知化合物である3'-デオキシ-4'-メチルチミジンへ導き、旋光度を比較することでその絶対構造をD-体と決定した。さらに光学活性なモノアセチル体から数工程を経て、目的とする4’-ヒドロキシメチルスタブジンの光学活性体を得ることが出来た。また、中間体であるモノアセチル体の1級ヒドロキシ基をジメトキシトリチル基で保護した後、アセチル基の除去、アミダイト化を経て、核酸自動合成機に適用可能なアミダイトブロックの合成を達成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラセミ体のリパーゼによる速度論的光学分割について、反応条件を最適化することができ、D-体の合成については、ほぼ予定通り進行している。

今後の研究の推進方策

合成したD-体のアミダイトブロックを用い、4’-ヒドロキシメチルスタブジンを含むオリゴヌクレオチドの合成と機能性評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究自体は順調に推移したため、前年次繰り越し分がほぼそのまま残る形になった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 酢酸イオンによる三員環スルホニウムイオンの開環を鍵工程とするコルジセピンの4’-チオヌクレオシド誘導体の合成研究2023

    • 著者名/発表者名
      名取 良浩、西 由之、渡邊 義之、若松 秀章、斎藤 有香子、皆瀨 麻子、山口 健太郎、兵頭 直、吉村 祐一
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会

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公開日: 2023-12-25  

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