研究課題/領域番号 |
21K06469
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安部 千秋 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00644006)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | GcMAF / マクロファージ |
研究実績の概要 |
本申請研究である「生体内免疫賦活分子GcMAFのマクロファージ活性化機構の解明」は,これまでに明らかになっていないGcMAF(Gc-protein derived macrophage activating factor)のマクロファージ活性化の詳細な分子メカニズムを明らかにするものである。昨年度にGcMAF抗体と結合する分子Xの単離・同定に成功したため、本年度は分子XがGcMAFの活性制御に関与しているかを明らかにするために機能性評価を行った。 マウス血中から分子X を精製しての評価を予定していたが,COVID19の影響で分離カラム成分の欠品が続いたため分離ができなかった。そこで、市販品の分子Xを用いGcMAFのマクロファージ活性化への影響を一酸化窒素(NO)産生量を指標に行ったが、分子XのGcMAF暴露によるマクロファージ活性化能は限定的であった。GcMAF抗体と反応する分子Xは炎症状態やマクロファージ活性化される時にのみ検出された分子であり、タンパク質の糖鎖修飾の違いが検出された要因であると考えている。そのため、市販品では糖鎖修飾が異なる結果、GcMAFへの効果が限定的であることが予想された。そこで現在、分子Xの糖鎖切断を行いGcMAF抗体に反応するかの確認を行っている。また、ようやく分離カラム成分の欠品が改善されたため、単離・精製した分子Xを用いてマクロファージ活性化への機能性評価を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に同定した結合分子がGcMAFによるマクロファージ活性化に影響するかを評価したが効果は限定的であった。研究実績の概要に記載したように、市販品では糖鎖修飾が違うと考えられるため、分子Xの糖鎖切断や分離カラムを用いての単離・精製中であり、機能性評価が遅れている。また,2022年度は所属している研究室が神戸医療産業都市推進機構から京都大学に移転する事になり、引っ越し作業、ラボセットアップ作業のため実験中断期間があり実験の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度のため、糖鎖修飾により分子Xがマクロファージ活性化能に影響を与えるかどうかを検討し、再度結合分子の同定を行うか、遅れているシグナル解析を進めるかを早急に判断していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は所属している研究室が神戸医療産業都市推進機構から京都大学に移転する事になり、引っ越し作業、ラボセットアップ作業のため実験中断期間(2ヶ月強)が生じたため、当初の予定より使用額が少なくなった。 本年度は昨年度未解析であった、シグナル経路の解明のために繰り越し分を使用する。
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