研究課題/領域番号 |
21K06475
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
川上 隆史 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60638881)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | PUREシステム / 遺伝暗号拡張技術 / SELEX / in vitro virus / cDNA display |
研究実績の概要 |
Hisタグ精製によって調製した約30種類の組換えタンパク質因子(T7 RNAポリメラーゼ、20種類のアミノアシルtRNA合成酵素、翻訳開始因子、翻訳伸長因子、nucleotide-diphosphate kinase(NDK)、pyrophosphatase(PPase), ribosome recycling factor (RRF)、クレアチンキナーゼ(CK)、アデニル酸キナーゼ(myokinaseなど)およびリボソームによって大腸菌由来の再構成型のin vitro転写・翻訳共役システム(Protein synthesis Using Recombinant Elememts system, PUREシステム)を構築した。 構築したPUREシステムと遺伝暗号拡張技術(genetic code expansion)とin vitro virus (mRNAディスプレイ)法あるいはcDNAディスプレイ法を用いて、芳香族求核置換反応などにより環状化した非天然型環状(Nアルキル)ペプチド化合物のDNAコード化ライブラリー(DEL)をリボソーム翻訳合成により調製した。 数兆種類の非天然型環状(Nアルキル)ペプチド化合物のDNAコード化ライブラリー(DEL)より、分子進化工学的スクリーニング(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment, SELEX)法を用いて、高LDLコレステロール血症に関わる創薬標的タンパク質であるProprotein convertase subtilisin/kexin type 9(PCKS9)やアレルギー性疾患に関わる創薬標的タンパク質であるインターロイキン5(IL-5)などに結合する完全新規の非天然型環状(Nアルキル)ペプチド化合物を複数種類、同定することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PUREシステムとin vitro virus (mRNAディスプレイ)と遺伝暗号拡張技術を組み合わせたSELEXにより、PCKS9やIL-5などに結合する完全新規の非天然型環状(Nアルキル)ペプチド化合物を複数種類、同定することに成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
PUREシステムとin vitro virus (mRNAディスプレイ)と遺伝暗号拡張技術を組み合わせたSELEXにより、様々な創薬標的タンパク質に結合する新規非天然型環状(Nアルキル)ペプチド化合物を同定し、新規超高速スクリーニング技術開発の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が順調に進んだため、計画よりも研究費を抑えることが可能となった。また、所属機関の共用機器が使用可能となったため、計画よりも研究費を抑えることが可能となった。引き続き、生物学実験試薬・器具、化学実験試薬・器具などの物品費、配列解析のためのその他費用として使用する計画である。
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