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2022 年度 実施状況報告書

抗がん剤耐性克服へ向けた核内受容体の活性制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K06493
研究機関熊本大学

研究代表者

小橋川 敬博  熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 准教授 (90455600)

研究分担者 森岡 弘志  熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (20230097)
関口 光広  石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (40822490)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード核内受容体 / CAR / MBP / 補助活性化因子 / 補助抑制因子 / タンパク質間相互作用
研究実績の概要

令和4年度はCARと補助活性化因子および補助抑制因子との結合を直接的に観測する手法の構築を試みた。最初に、蛍光タンパク質を用いた相互作用検出系の構築を試みたが、CARと補助活性化因子および補助抑制因子との相互作用は解離定数が数uM程度の弱い相互作用であり、検出感度の点で不十分であった。そこで、NanoLucを用いた相互作用検出系の構築を試みた。NanoLucは深海性のエビ由来のLuciferaseを改変したものであり、一般に使用されるホタルルシフェラーゼに比べて分子量が小さい、熱安定性が高い、発光にATPを必要としない、活性が高く発光量が多いため高感度で検出可能であるという特徴がある。このNanoLucを2つの断片 (SmBitおよびLgBit) に分割したものがSplit NanoLucである。SmBit-LgBit間の相互作用は弱く、これらの断片を混合しただけではLuciferase活性を示さない。しかし、相互作用し合うタンパク質に融合させることで2つの断片が会合し、ルシフェラーゼ活性を示す。このことを利用することで、目的タンパク質同士の相互作用を化学発光により高感度に検出可能となる。CAR-SmBit融合タンパク質、Lg-Bitと補助活性化因子もしくは補助抑制因子との融合タンパク質を作製し、相互作用解析を試みた。その結果、CARと補助活性化因子もしくは補助抑制因子との相互作用を高感度で検出することに成功した。現在、このシステムを用いて薬物フリー状態、補助活性化因子結合状態、補助抑制因子結合状態のCARと補助活性化因子もしくは補助抑制因子との相互作用解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた蛍光スペクトルや等温滴定熱量測定による相互作用解析だけでは精度、検出感度の点で不十分であることが明らかとなり、分子間相互作用を直
接観測する手法を新たに構築することが必要となったが、Split NanoLucを用いたタンパク質間相互作用検出系の構築について目途が立ったことから、概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

令和4年度に構築したSpilit NanoLucを用いたCARと補助活性化因子および補助抑制因子との相互作用解析系を用いて、薬物フリー、逆作動薬存在下、作動薬存在下におけるCARと補助活性化因子および補助抑制因子との相互作用解析を進める。また、薬物フリー、逆作動薬存在下、作動薬存在下におけるCARについて、分子動力学解析を進め、リガンド機能によるCARの活性制御機構の詳細を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、相互作用検出系の構築 (ウエット実験)と分子動力学計算 (ドライ実験)を行った。ウエット実験の準備としてドライ実験を事前に行ったため、計画よりも使用額が低くなった。次年度はウエット実験の割合が高くなる予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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