加齢に伴いアルツハイマー病原因タンパク質アミロイドβ(Aβ)内に存在する3つのアスパラギン酸(Asp)は異性化してD-Aspとなる。アルツハイマー病の発症・進行の鍵を握るAβの線維化・凝集体形成プロセスに異性化したD-Aspが及ぼす影響について、線維・凝集体の構造安定性、微細形態、及びAβシード(線維核)の線維形成促進機能の観点から生物物理学的に解析し、加齢により生じるD-AspがAβの線維化・凝集体形成過程を多角的に促進することを明らかにした。また、AspのD-体異性化に影響を及ぼす外部環境因子の1つとしてpHが関与することも明らかにした。
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