研究課題/領域番号 |
21K06512
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中尾 素直 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (60457306)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Lipidomics / SFC-MS |
研究実績の概要 |
本年度は脂質定量法の確立のため、測定サンプルの用意と超臨界クロマトグラム質量分析装置(SFC-MS)による測定を実施した。 サンプルは通常食とメチオニン・コリン欠乏食で12週間飼育の古典的な非アルコール性脂肪肝炎(NASH) モデルマウス(C57BL/6N)を各5匹用意し、臓器(肝臓と脳)約20mgに同位体ラベルISを混合後にBligh & Dyer 法にて抽出し、下層の脂質画分を定量用サンプルとして-80℃冷凍庫に保管した。 その後SFC-MSにて脂質画分の測定のため、脂肪酸側鎖をパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸の6種類に限定して測定用メソッドを作成した。メソッドの作成はVisual Basic for Applicationsにて作成した自作プログラムにて行った。 リン脂質(脂肪酸側鎖2本)は順相カラム(ACQUITY UPC2 Torus DEA)で測定を行った。しかし、中性脂質の大部分を占めるトリアシルグリセロール(TG,脂肪酸側鎖3本)はその脂肪酸側鎖の数が多いため、必然的に化合物数も多く(56化合物、位置異性体や立体異性体は考慮せず)、順相カラムでは定性が困難なため逆相カラム(ACQUITY UPC2 HSS C18)で定性を行った。現在は質量分析装置の測定結果からリン脂質はもとより、煩雑なTGの定性及び簡易的な定量値を算出するアルゴリズムを考案し、プログラムを制作中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質量分析装置に関しては研究室に設置済のため、サンプル調製から測定まで問題なく進行できた。研究室外の分析装置による測定の際に訪問できる日程に制限が生じたため遅れを生じた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度はNMRでの測定を開始する事で質量分析装置の結果と比較する。
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次年度使用額が生じた理由 |
NMR測定にかかる費用負担が、来年度に行う為,その分析にかかる費用計上が減少した.
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