非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)は脂肪肝に炎症を伴うとともに病態進行により不可逆的な線維化が惹起される。さらに肝臓の線維化は肝硬変・肝癌へ進展するため、早期の段階で脂肪肝とNASHの違いを明確に判別する診断技術の開発が望まれている。メタボローム解析は、体外診断で疾患を同定できる簡便かつ有用な技術であるが、質量分析装置には絶対定量を行う事はできない。位置異性体の多い脂質を臨床診断に資する定量値を算出するための手法を開発してここに報告する。
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