本研究では、肝細胞特異的に時計遺伝子BMAL1が欠損した(HKO)マウスを用いて、体内時計システムの変調によるNASH発症に伴う線維化の増悪化機構を解析した。NASH誘導食を給餌したControlマウスでは、肝障害、炎症及び線維化が明期に高く、暗期に低くなる日内変動を示したが、HKOマウスにおいて日内変動は見られなかった。また、NASH線維化の日内変動にはTGFβ1のタンパク質発現量の変動の関与が示唆された。さらにHKOマウスはNASH誘発性の肝がんへの進行が増悪化した。したがって、NASHの発症及び増悪化にBMAL1を介した体内時計の関与が示された。
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