本研究では、加齢依存性の疾患について老化研究で注目されているモデル生物であるアフリカメダカを用いて解析している。前年度までに、加齢による組織学的変化を調べたところ、肝臓を含む複数の臓器で加齢依存的な組織変化を見出した。また、この組織変化の原因を調べるために、細胞老化に着目し、細胞老化マーカーとして知られるCdkn1aおよびCdkn2a/bの発現量を調べた。その結果、組織毎に、また年齢毎にそれらの遺伝子が異なる発現変化を示すことを見出した。本年度では、senescence-associated beta-galactosidaseの活性を調べることで、肝臓において加齢依存的に細胞老化が亢進することを見出した。以上の結果は、アフリカメダカの肝臓が示す加齢依存的な組織変化に細胞老化が関係する可能性を示唆している。
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