本研究はDNA二本鎖切断の修復経路選択機構を明らかとするため、RecQ4の機能解析をおこなった。DNA二本鎖切断の修復経路にはKu70/Ku80複合体が関与する非相同末端結合とMRE11が関与する相同組換えがある。RecQ4とKu70/Ku80複合体またはMRE11との相互作用について調べたところ、RecQ4のN末側断片(RecQ4-N)がKu70とKu80の複合体形成を阻害する可能性を見出した。また、RecQ4-NがMRE11のエンドヌクレアーゼ活性を阻害することを明らかとした。これらの結果は、RecQ4がN末側領域を介して、DNA二本鎖切断修復の経路選択に影響を与えることを示唆している。
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