2023 年度研究成果報告書

時間空間特異的ビタミンK変換酵素欠損マウスを用いたビタミンKの新規生理機能の解明

研究課題

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研究課題/領域番号	21K06554
研究種目	基盤研究(C)
配分区分	基金
応募区分	一般
審査区分	小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
研究機関	神戸学院大学
研究代表者	中川公恵神戸学院大学, 薬学部, 教授 (90309435)
研究期間 (年度)	2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード	ビタミンK / UBIAD1 / MK-4 / ノックアウトマウス / 骨形成 / 軟骨細胞
研究成果の概要	ビタミンKを体内でmenaquinone-4（MK-4）に変換する酵素であるUbiA prenyltransferase domain containing protein 1（UBIAD1）の骨形成における役割について、時期特異的UBIAD1欠損マウスを用いて解析を行い、UBIAD1が骨形成において特に軟骨形成に重要な役割を担っていることを明らかにした。また、UBIAD1欠損マウス由来初代培養軟骨細胞及び軟骨細胞への分化能をもつ株化細胞を用いた検討により、UBIAD1が軟骨細胞の増殖・分化を促進する作用を示し、MK-4がそれを抑制する役割を持つことを明らかにした。
自由記述の分野	衛生薬学、分子栄養学
研究成果の学術的意義や社会的意義	ビタミンKは、骨形成に重要であるため、骨粗鬆症治療の予防や治療に臨床応用されているが、ビタミンKのMK-4への変換を担う酵素であるUBIAD1の骨形成における役割は明らかではなかった。また、骨芽細胞に対するビタミンKの機能は種々の報告があるが、軟骨細胞に対する作用は明らかではなかった。本研究により、UBIAD1が骨形成に必要な因子であり、特に軟骨形成や軟骨細胞機能に必須であること、MK-4が軟骨細胞の増殖・分化を調節する役割を担うことが明らかとなった。本研究成果は、骨疾患のうち変形性関節症などの軟骨細胞機能以上を伴う疾患の予防や治療にビタミンKが応用可能であることを示す重要な知見となった。