本研究は、老年期に安静時振戦などの運動機能障害をもたらすパーキンソン病(PD)の原因となるロイシンリッチリピートキナーゼ2(LRRK2)というタンパク質の異常が、PDを惹き起こすメカニズムの解明を目的として行った。LRRK2は他のタンパク質にリン酸を付加する(リン酸化)機能を有するが、Rab12タンパク質へのリン酸化により細胞内の老廃物の分解装置であるリソソームと呼ばれる細胞内小器官の細胞内での位置が異常となることを見出した。今後、リソソームの細胞内の位置が異常となることで生じる現象を明らかにすることで、PDの新しい治療法の開発につながる成果である。
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