研究課題
ウイルスベクターワクチンの構築:LC16m8dベクター及びAAVベクターのそれぞれについて、前年度に作製を終了している。ワクチンの免疫及び有効性の検証:LC16m8d/AAV1免疫法のC57BL/6マウスにおける有効性の検証実験を進めた。従来の検証に用いていたBalb/cマウスでは100%の感染防御効果が確認されたのに対し、C57BL/6マウスにおける感染防御効果は50%であった。また、追加免疫用のAAV1ベクターとAAV5を比較したところ、同程度の感染防御効果が誘導された。免疫応答解析:LC16m8d/AAV1免疫法によってワクチン接種したBalb/cマウスにおいて、脾臓と肝臓のメモリーT細胞の機能及びその数を解析した。脾臓において抗原特異的に応答するT細胞数は旧型の対照群に比べて誘導が乏しかったが、集積したメモリーT細胞数は有意に上昇した。肝臓においても特異性の面では対照群に劣るものの、組織常在型メモリーT細胞の数が数倍に上昇していた。また、C57BL/6マウスにおいてはBalb/cマウスと同程度の液性免疫応答が確認された。研究結果について、国際学術雑誌の2報への掲載が受理された。
2: おおむね順調に進展している
これまでの研究成果について、論文発表ならびに学会発表として報告できた。研究自体も当初予定していた研究計画に沿って進展している。今年度より研究機関を異動したが、同様の実験設備と環境の準備がほぼ整ってきており、順調に研究を継続できている。
所属先においてP2A実験室の設立の認可がおりたため、マラリア感染実験を基盤としたワクチン開発研究を継続予定である。特に令和5年度はワクチンならびにマラリア自然感染による免疫応答の評価について調査を進める予定である。
当初「低圧液体クロマトグラフィーシステム」を予算内で購入予定であったが、異動先(武蔵野大学)において上位機種を別財源で購入できる可能性が示唆されたため、購入を保留とした。別財源で購入可能な場合、異動先で不足している研究機器(卓上遠心機、パワーサプライなど)に充て、機器の充実を図る予定である。
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